暑中見舞いと残暑見舞いは、相手を気遣って暑い時期にお見舞いを送る行為です。
では、暑中見舞いから残暑見舞いへの切り替わりはいつなのでしょうか。
また、挨拶状の書き方や品物を贈る際のマナーにも目を向けてみましょう。
暑中見舞い・残暑見舞いとは?
暑中見舞いと残暑見舞いは、相手の健康を暑さから気遣う習慣です。
時には挨拶状に添えて品物を贈ることもありますが、その際にはマナーに留意する必要があります。
詳しく見ていきましょう。
暑い季節にお見舞いを送る際の注意点
暑中見舞いや残暑見舞いは、特定のルールが存在せず、送りたい相手に自由に送ることができます。ただし、受け取った側は礼状を送るのが一般的なマナーです。
一般的には手書きのはがきや手紙での伝達が一般的ですが、直接会ってお見舞いの言葉を伝えることも良いでしょう。最近ではメールでのやり取りも一般的であり、相手もメールで返信することができます。
暑中見舞いや残暑見舞いは相手の健康を気遣う挨拶ですが、自身の近況を伝えると相手との親近感が深まり、喜ばれることでしょう。
お見舞いの品物を贈る際の注意点
暑中見舞いや残暑見舞いの際には、挨拶状に品物を添えることもあります。贈る品物は、涼しげな食品や飲み物が一般的です。
また、暑い季節には体力が落ちていることも考慮し、疲れているときでも食べやすいそうめん、アイスクリーム、水ようかん、ゼリー、旬のフルーツなども喜ばれます。
カタログギフトも人気がありますが、お中元の時期と重ならないように注意し、受ける側が好みの品物を選べるようにすると良いでしょう。
品物を贈る際のマナー
品物を贈る際には、いくつかのマナーに留意する必要があります。
- 目上の人に贈る場合は「暑中お伺い」「残暑お伺い」という表現を用いる
- 喪中の相手にも贈ることは可能であり、のしは白無地のかけ紙にしておく
- 不幸があって間もない相手には、適切なタイミングで贈るなど配慮をする
また、お中元、暑中見舞い、残暑見舞いは一つ選んで贈るのが一般的です。すでにお中元を贈った場合には、重複しないように暑中見舞いや残暑見舞いは控えるべきです。
暑中見舞いと残暑見舞いの時期とは?
暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらも暑い季節に送られるものですが、具体的な時期はいつからいつまでなのでしょうか。
暑中見舞いは最も暑い時期に送る
「暑中」とは、「小暑(しょうしょ)」(7月7日頃)から立秋の前日までの期間を指します。この時期が最も暑い時期です。
暑中見舞いは、梅雨明けから8月7日頃(立秋の前日)までに送るのが一般的です。ただし、梅雨明けの時期は地域によって異なるため、相手の住んでいる地域の状況を考慮しましょう。
年によっては、立秋を過ぎてもまだ梅雨明けしないことがあります。その場合は、暑中見舞いから残暑見舞いに切り替えます。
残暑見舞いは秋でもまだ暑い時期に送る
立秋以降は暦の上では秋ですが、まだまだ暑さが残る時期です。この残る暑い時期を「残暑」と呼びます。
残暑見舞いは、立秋(8月8日頃)から9月8日頃までに送るのが一般的です。ただし、「残暑」という言葉が使えるのは秋分(9月23日頃)までとされています。
残暑見舞いの習慣は、かつてお盆に先祖へ供え物を持って行くことから始まりました。その後、先祖への供え物から人々への贈り物に変化し、お中元の習慣へと発展しました。そのため、残暑見舞いはお中元のやり取りが主体となっています。
暑中と残暑の境目「立秋」とは?
「立秋」は二十四節気の一つで、立秋の初日が秋の始まりとされます。毎年8月7日〜8日頃ですが、具体的な日付は暦を確認する必要があります。
立秋は暦の上では秋となりますが、夏の暑さが最高潮に達し、秋へと移り変わる時期です。立秋以降、少しずつ暑さが和らいでいくことから、秋の始まりとされています。立秋の期間には、お盆の墓参りや盆祭り、五山送り火など先祖を供養する行事が行われます。
また、立秋を更に細かく分けた七十二候には、「涼風至る」「寒蝉鳴く」「蒙霧升降」といった風雅な名前が付けられています。
暑中見舞い・残暑見舞いの挨拶状の書き方について
暑中見舞いや残暑見舞いの挨拶状の書き方についてご紹介します。適切なマナーで送ることが重要ですので、注意が必要です。
暑中見舞いの場合
暑中見舞いの基本的な構成は以下の通りです。各項目を忘れずに含めるようにしましょう。
- 書き出し: 「暑中お見舞い申し上げます」
- 時候の挨拶: 「厳しい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」
- 主文・近況: 「無事に二人目の子どもを出産しました~」
- 結び・相手への気遣い: 「暑い日が続く中、どうぞご自愛ください」
- 日付: 「〇〇年 盛夏」
日付の後に「盛夏」と書くと、暑中見舞いらしい雰囲気を出せます。
残暑見舞いの場合
残暑見舞いの基本的な構成は、暑中見舞いと同様ですが、秋の気配を感じさせる表現を選びましょう。
- 書き出し: 「残暑お見舞い申し上げます」
- 時候の挨拶: 「立秋とは名ばかりで、まだまだ暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」
- 主文・近況: 「今年の夏は家族そろって~~へ帰省しました」
- 結び・相手への気遣い: 「最後に、ご家族皆様のご健勝をお祈り申し上げます」
- 日付: 「〇〇年 立秋」
日付の後に「立秋」と書くことで、残暑見舞いらしい印象を与えることができます。
暑中・残暑見舞いで思いやりの言葉を贈ろう
暑中見舞いや残暑見舞いは、暑い季節に相手の健康を気遣う挨拶です。手紙やはがきなどの書状を送るだけでも良いですし、品物を添えることもできます。
暑中見舞いや残暑見舞いの際に品物を贈る場合、目上の方へは「暑中お伺い」とか「残暑お伺い」といった表現を使います。また、お祝いの場合ではないため、喪中の相手にも贈ることができます。
暑中見舞いや残暑見舞いは、普段は疎遠になりがちな相手に対しても、思いやりの言葉を送るチャンスです。自身の近況を書き添えることで、より親しみのある挨拶になるでしょう。