子どもにスマホを持たせるのはいつからがいいのでしょうか。この問題には、さまざまな意見や考え方があります。この記事では、最近の子どものスマホ事情や、スマホを持たせるメリット・デメリット、注意すべきことなどについてまとめてみました。
子どものスマホ事情
他の子がいつからスマホを使用しているのか、気になる保護者の方は多いと思います。まずは、子どものスマホ事情から見ていきましょう。
スマホの所有率は年々増加
子どもがスマホを持ち始める年齢は低下しており、小学生や中学生のスマホの所有率は年々増加傾向にあります。内閣府の調査によれば、令和4年度には小学生(10歳以上)の59.5%、中学生の86.6%がスマホを所有しています。
スマホ利用開始時期は小学校高学年〜中学生が多い
スマホをいつから持ち始めたかを聞くと、小学5〜6年生で急増しており、全体の約4割強がスマホを持ち始めています。また、中学校への入学を機にスマホを持つ子どもも一定数います。
昔と違い、子どもは家や学校で早い時期からインターネットに慣れ親しんでおり、スマホはインターネット利用の主要な手段となっていることがわかりますね。
スマホを持たせるメリット・デメリット
子どもにスマホを持たせることには、メリットとデメリットがあります。それぞれについて具体的に見ていきましょう。
メリット
- 家族間や友だちとのコミュニケーションが増える
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電話やメール、SNSなどの機能を通じて、家族や友だちとのコミュニケーションを円滑にすることができます。特に、遠くに住んでいる人や、学校や塾などで忙しい人とも連絡を取り合うことができます。また、スマホは、写真や動画などのメディアを共有することもできるので、日常の出来事や思いを伝えることができます。これらのことは、子どもの社会性や表現力を育むことにもつながります。
- 防犯や安全確認に役立つ
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緊急時に警察や救急などに連絡することができるだけでなく、GPSや位置情報サービスなどを利用して、子どもの居場所や行動範囲を把握することができます。これは、親や保護者が子どもの安全を確認するために有効な手段です。また、子ども自身も、スマホを持っていることで安心感を得ることができます。
- 学習や調べ物に役立つ
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インターネットに接続することで、さまざまな情報や知識にアクセスすることができます。これは、子どもの学習や調べ物に大きく役立ちます。例えば、辞書や百科事典などの参考書をスマホで見ることができたり、動画や音声などの教材をスマホで利用することができたりします。また、スマホは、オンライン学習サービスやアプリなどを通じて、自分のペースで学習することも可能です。
- ITリテラシーや情報処理能力を高めることができる
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スマホは、IT(情報技術)の基本的な操作や利用方法を身につけることができる道具です。これは、現代社会では必要不可欠なスキルです。また、スマホは、情報を収集・分析・発信する能力を養うこともできます。これは、論理的思考力や創造性などの高次能力を育むことにも寄与します。
デメリット
- 視力の低下や寝不足の原因になる
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スマホは、画面が小さくて見づらいため、目に負担をかける可能性があります。特に、暗い場所や長時間見続ける場合は、視力の低下や目の疲れ・乾燥・充血などのトラブルを引き起こす可能性が高まります。また、スマホは、睡眠前に使うと脳が覚醒してしまい、入眠障害や睡眠不足の原因になる可能性があります。これらのことは、子どもの健康や成長に悪影響を及ぼすことがあります。
- 勉強や運動などの時間が減る
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ゲームやSNSなどの楽しいコンテンツに夢中になりやすいため、子どもの時間管理や自制心に影響を与える可能性があります。特に、スマホの利用が依存性や中毒性になると、勉強や運動などの必要な活動や趣味などの他の楽しみを疎かにすることがあります。これらのことは、子どもの学力や体力の低下や、生活リズムの乱れなどを招くことがあります。
- ネットいじめや有害サイトへのアクセスなどの危険にさらされる
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ゲームやSNSなどの楽しいコンテンツに夢中になりやすいため、子どもの時間管理や自制心に影響を与える可能性があります。特に、スマホの利用が依存性や中毒性になると、勉強や運動などの必要な活動や趣味などの他の楽しみを疎かにすることがあります。これらのことは、子どもの学力や体力の低下や、生活リズムの乱れなどを招くことがあります。
- 料金が高くなる
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通信料やアプリの課金などで料金が高くなる可能性があります。特に、子どもは自分の使っている料金を把握できなかったり、無駄遣いをしたりすることがあります。また、親や保護者は子どものスマホ利用状況を把握できなかったり、制限できなかったりすることがあります。これらのことは、家計への負担や親子間のトラブルを引き起こすことがあります。
スマホを持たせるときに注意すべきこと
子どもにスマホを持たせるときは、以下のようなことに注意しましょう。
利用ルールや時間制限を決めて守らせる
子どもの自由な利用を制限することで、スマホのデメリットを軽減することができます。例えば、スマホの利用時間や場所、目的などを親や保護者と相談して決めておき、それを守らせることが大切です。また、スマホの利用時間は、睡眠前や食事中などは避けるようにしましょう。これらのことは、子どもの健康や学習や生活に悪影響を与えないようにするために必要です。
フィルタリングや利用制限などの機能を活用する
インターネット上の危険から子どもを守るために、フィルタリングや利用制限などの機能を活用することができます。例えば、フィルタリングは、暴力や性的な内容などの有害サイトへのアクセスをブロックすることができます。また、利用制限は、通話やメール、アプリなどの利用範囲や回数を制限することができます。これらのことは、子どもの安全や倫理に配慮するために有効です。
子どものスマホ利用状況や友だち関係をチェックする
親や保護者が子どものスマホ利用状況や友だち関係をチェックすることで、トラブルや問題に早期に対処することができます。例えば、スマホの履歴や料金明細などを確認することで、子どもが何を見ているかやどれくらい使っているかを把握することができます。また、子どものSNSやメッセージなどを見ることで、子どもが誰とどんなやり取りをしているかを知ることができます。これらのことは、子どもの心理的・身体的・経済的なダメージを防ぐために重要です。
子どもとコミュニケーションを取りながら指導する
親や保護者が子どもとコミュニケーションを取りながら指導することで、子どもの理解や協力を得ることができます。例えば、スマホのメリット・デメリットや注意点などを話し合って教えることで、子どもにスマホの正しい使い方を理解させることができます。また、子どもの意見や感想などを聞いて共感することで、子どもに信頼感や安心感を与えることができます。これらのことは、親子間の関係や信頼を深めるために必要です。
スマホを持たせるタイミングは?
子どもにスマホを持たせる適切なタイミングはいつかという問題には、一概に答えることができません。子どもの年齢や性格、学校や家庭の環境、親や保護者の考え方など、さまざまな要因が関係してきます。しかし、一般的には、以下のようなポイントを参考にすると良いでしょう。
子どものスマホ事情を把握する
先述した通り、スマホの所有率は年々増加しており、小学生の約半数、中学生の約3分の2がスマホを持っています。スマホ利用開始時期は小学校高学年から中学生が多く、中学入学を機にスマホを持つ子どももいます。
子どもたちはスマホでインターネットやSNSなどを利用しており、コミュニケーションや情報収集の手段として重要視しています。
周囲の子にあわせて用意することで、友だちとの交流の輪が広がることが期待できます。
スマホを持たせるメリットとデメリットを理解する
こちらも既にお伝えした通り、スマホを持たせることには、メリットとデメリットがあります。
メリットとしては、家族や友だちとの連絡がスムーズになる、防犯や安全確認に役立つ、学習や調べ物に役立つ、ITリテラシーや情報処理能力を高めることができるなどが挙げられます。
デメリットとしては、視力の低下や寝不足の原因になる、勉強や運動などの時間が減る、ネットいじめや有害サイトへのアクセスなどの危険にさらされる、料金が高くなるなどが挙げられます。
スマホを持つ前にメリットとデメリットを十分に理解するようにしましょう。
スマホを持たせるときに注意すべきことを決める
スマホを持たせるときは、利用ルールや時間制限を決めて守らせることが大切です。
また、フィルタリングや利用制限などの機能を活用することで、インターネット上の危険から子どもを守ることができます。
さらに、子どものスマホ利用状況や友だち関係をチェックすることで、トラブルや問題に早期に対処することができます。
そして、子どもとコミュニケーションを取りながら指導することで、子どもの理解や協力を得ることができます。
以上のように、子どもにスマホを持たせる適切なタイミングは、個々の事情に応じて判断する必要があります。子どもにスマホを持たせる場合は、メリットとデメリットをしっかりと理解し、安全で健全なスマホの使い方を教えてあげることが必要です。
スマホ持つルール作り
スマホを持たせるときの利用ルールや時間制限は、親子で話し合って決めることが大切です。スマホの利用にはメリットとデメリットがありますので、それらを理解した上で、適切な使い方を教えてあげることが必要です。
ルール決め
ルール作りのポイントをいくつか紹介していきましょう。
スマホの利用時間を決める
スマホの利用時間が長くなると、視力や睡眠などの健康に影響する可能性があります。また、勉強や運動などの必要な活動や趣味などの他の楽しみを疎かにすることもあります。そこで、スマホの利用時間を決めて守らせることが大切です。例えば、「ゲームは1日30分まで」「夜8時以降はスマホを使わない」など、具体的な時間帯や目的を設定しましょう。
スマホを使う場所を決める
スマホを使う場所にも注意が必要です。学校や公共の場所では、スマホの持ち込みや使用が禁止されている場合もあります。また、周囲の人に迷惑をかける可能性もあります。そこで、場所に応じて通話を控えたり、電源を切ったりするなど、スマホのマナーを教えましょう。自宅でも、親の目が届かない自室での使用を制限するなど、スマホの使える場所を決めておくとよいでしょう。
アプリのダウンロードや使用を制限する
アプリのダウンロードや使用にも制限が必要です。子どもにふさわしくないアプリや有料・課金制のアプリがあることも把握しておきましょう。子どもが勝手にアプリをダウンロードしたり、課金したりしないように、フィルタリング機能やパスワード設定などを利用しましょう。また、親のスマホから子どものスマホを管理できるサービスやアプリもありますので、活用してみてください。
SNSやメッセージに書く内容を注意する
SNSやメッセージは、複数の人の目に触れる可能性があるため、書く内容にも注意が必要です。人を傷つける言葉や個人情報・写真などを投稿したり、不特定多数に公開したりしないように教えましょう。また、SNSやメッセージで知らない人から連絡が来たり、誘われたりした場合は無視するか親に相談するように伝えましょう。
決めたルールを守ってもらうには
スマホの利用時間を決めた後、ルールを守ってもらうには、以下のようなことをしてみましょう。
ルールを明確に伝える
スマホの利用時間を決めたら、子どもにそのルールを明確に伝えましょう。ルールを決める理由や目的、守った場合や守らなかった場合のメリットやデメリットなどを説明しましょう。また、ルールを紙に書いて目につくところに貼ったり、スマホの壁紙にしたりするなどして、常に意識させるようにしましょう。
ルールを守ったらほめる
スマホの利用時間を守ったら、子どもをほめて認めてあげましょう。ほめることで、子どもは自信ややりがいを感じることができます。また、ほめるときは、具体的に何がよかったかや、どんな効果があったかなどを伝えましょう。例えば、「今日はスマホの時間を守って勉強したね。すごいね!」「スマホを早く切って寝たから、今日は朝も元気そうだね。よくできたね!」などと言うことができます。
ルールを守らなかったら注意する
スマホの利用時間を守らなかったら、子どもを注意して叱りましょう。注意するときは、冷静になって感情的にならないようにしましょう。また、注意するときは、ルールを破ったことやその理由、その結果どんな問題が起こるかなどを具体的に伝えましょう。例えば、「今日はスマホの時間を超えて使っていたよね。なんでそうしたの?」「スマホを長時間使っていると、目が疲れたり視力が低下したりするよ。それに勉強や運動の時間も減ってしまうよ。だからスマホの時間は守ろうね」と言うことができます。
ルールを見直す
スマホの利用時間のルールは、子どもの年齢や成長、環境や状況などに応じて見直すことが必要です。例えば、学校や塾でスマホを使う必要が出てきたり、オンライン学習サービスやアプリなどで学習するようになったりした場合は、スマホの利用時間や目的を変更することができます。また、子どもが自分でスマホの使い方や管理方法を理解している場合は、ルールを緩和することもできます。ルールを見直すときは、親子で話し合って決めましょう。
まとめ
子どもにスマホを持たせるかどうかは、親自身が判断することです。しかし、その判断にあたっては、最新の情報や専門家の意見なども参考にすることが大切です。また、子どもにスマホを持たせる場合は、メリットとデメリットをしっかりと理解し、安全で健全なスマホの使い方を教えてあげることが必要です。