赤ちゃんの言葉マジック！オノマトペのすごさと、大きくなっても楽しめる語彙力アップの秘密

2023年10月15日

子どもの成長に欠かせない「言葉の冒険」についてお話ししましょう。子育て中のママやパパ、またこれから子どもを持つ予定の方にとって、赤ちゃん言葉やオノマトペって気になりますよね。

「ブーブー、車来たね」といった可愛らしい表現が、実は子どもたちの言葉の始まりを彩る大切なステップだったりします。いつまで赤ちゃん言葉を使っていいのか、どのように取り入れると子どもの成長につながるのか、気になりますよね。

そこで今回は、その辺りの疑問にお答えしながら、赤ちゃんの言葉遊びがどれだけ子どもたちにとって有益で、楽しく成長する一助になるのか、お伝えしていきます。どうぞごゆっくりお付き合いください。

赤ちゃん言葉からオノマトペまで

子育て中の親たちの間で、

赤ちゃん言葉はどこまで使っていいの？

という疑問がよくあります。実は、赤ちゃん言葉は単なる可愛らしい表現だけでなく、子どもの言葉発達にとって重要な役割を果たします。例えば、車を「ブーブー」と表現するのはオノマトペの一環であり、同時に赤ちゃん言葉でもあります。

言葉を話す前の段階から、赤ちゃん言葉やカタコトの文を使うことは、子どもの言葉獲得のステップとして推奨されています。この早い段階での言葉の遊びは、子どもが言葉に親しむ助けとなり、将来的な発話の自信を築く基盤を築きます。成長するにつれて、「ブーブー、車来たね」といった具体的な言葉の使い方を取り入れることで、赤ちゃん言葉は徐々に大人の言葉に変わっていきます。

しかし、赤ちゃん言葉を卒業した後も、言葉のバリエーションを広げる手段としてオノマトペが重要です。これらのイメージ豊かな言葉は、語彙力を拡充させ、子どもたちの創造性を促進します。親たちは積極的に様々なオノマトペを導入し、子どもたちが言葉の世界を楽しみながら、成長していく手助けをしていくことがポイントです。

言葉の成長に深く関与する「オノマトペ」

言葉の成長において欠かせない「オノマトペ」とは、言葉ではなかなか表現しきれない、雨の降る様子を「ザーザー」と形容したり、赤ちゃんの泣き声を「エーン」と表現したりする、音や声を模倣した言葉のことを指します。それだけでなく、光る様子を「チカチカ」、不安や興奮を「ソワソワ」といった感情や状態を音で表現する擬態語もオノマトペの一環です。実は、日本語にはこれらのオノマトペがたくさん存在し、私たちの日常に溶け込んでいます。

このオノマトペが、特に幼児期の言葉の発達において重要な役割を果たしているのです。なぜなら、幼い頃はまだ言葉の理解が十分でなく、抽象的な概念を言葉で表現することが難しいからです。オノマトペは、身近な出来事や感情を直感的かつ具体的に表現できるため、幼児が言葉を身につけ、理解するのに役立ちます。この興味深い役割について、詳しく掘り下げていきましょう。

オノマトペが幼児の言葉発達に果たす4つの重要な役割

幼児の言葉発達において重要な役割を果たすオノマトペには、さまざまな側面が存在します。それを詳しく見ていきましょう。

聞き取りスキル向上

オノマトペは、言葉の発達においておおいに貢献する要素として、言葉の聞き取りに特に重要な役割を果たします。

例えば、「どんどん」「スルスル」といったオノマトペは、そのリズミカルで繰り返される音が、幼児の注意を引きつけ、言葉に対する興味を刺激します。幼い頃の子どもたちは、リズミカルで反復的な音によって引き寄せられやすく、こうした言葉が使用されると、それが彼らの心に残りやすくなります。この特性は、言葉の中から単語を切り出しやすくし、文の構造を理解しやすくするのに役立ちます。

例えば、「喉が渇いたから、ゴクゴクお茶飲んでるね」というようなオノマトペを含んだ言葉掛けは、単なる言葉だけでなく、音の響きやリズムを通じて情報を伝えます。これによって、お子さんは言葉の中から意味を取り出し、聞き取りやすい言葉のパターンを学びます。こうした経験は、言葉の理解力を向上させ、コミュニケーションの基盤を築くのに寄与します。オノマトペを巧みに取り入れた言葉は、単なるコミュニケーション手段以上に、子どもたちの興味を引き、学びの楽しさを増幅させるのです。

理解力向上

オノマトペは、その本質的な特徴として音や様子を生き生きと表現することから、言葉を理解する際に有益な役割を果たします。

例えば、「雨が降る」と言うのと、「雨がザーザー降る」や「雨がぽつぽつ降る」と言うのとでは、後者の表現の方が雨の様子がよりリアルに伝わります。このような豊かな表現は、言葉の発達途中にある子どもたちにとって、新しい概念や状況を把握するのに貴重な手段となります。

子どもたちは成長する過程で、周囲の言葉の中に知っている言葉と知らない言葉が絶えず混ざっています。

例えば、「降ってる」という言葉がまだ理解できない子が、「雨がザーザー降ってるね」という言葉に触れたとき、「ザーザー」が理解できれば、「降ってる」の意味を推測し始めるでしょう。「ザーザー」が雨の音を表すことをつかむことで、「こんなときに使う言葉なんだな」「これがどういう意味なのかな」といった考えを形成していく可能性があります。

言葉の理解のプロセスは複雑であり、新しい言葉や表現に触れることが重要です。オノマトペはその直感的で具体的な特性から、子どもたちにとって理解の際の手がかりとなり、状況や感覚に対する理解を進展させる助けとなります。言葉の意味を捉えるためには、様々な表現に繰り返し触れ、経験を通して理解が進むのです。

会話量増加

オノマトペは、おしゃべりがまだおぼつかないお子さんにとって、言葉を使いやすくする上で優れた手段となります。これは特に、同じ音が繰り返されるオノマトペに顕著に表れます。

例えば、オノマトペに限らず、小さいお子さん向けの言葉（赤ちゃん言葉）では、お片付けのことを「ナイナイ」、おしっこのことを「チッチ」といったように、同じ言葉を２回繰り返すことがよくあります。これは、同じ動きを反復することで音が単純化され、難しい音の組み合わせを避ける効果があります。その結果、子どもたちはこれらのオノマトペを用いて、簡潔で発音しやすい言葉を身につけやすくなります。

この言いやすさは、お子さんが初めて言葉を発する段階において、重要な役割を果たします。言葉の練習を通じて、同じ音や言葉の繰り返しによって、子どもたちは自信を持ち、徐々に言語スキルを向上させていくのです。オノマトペが提供するこの言葉の手順は、子どもたちがおしゃべりの楽しさを見出し、コミュニケーションを深める助けになります。

動詞の獲得

言葉の豊かな表現を構築し、単語を組み合わせて意味のある文を形成するためには、行為や動作を表す言葉、つまり動詞の習得が欠かせません。しかし、動詞は「食べる」「食べた」「食べよう」「食べて」など、さまざまな形に変化することがあります。さらに、「食べる」や「走る」などの行為や動きを示す言葉は、対比される名前（名詞）のような具体的な物体と比較して、やや抽象的な性質を持っています。

例えば、「走る」は両腕を振り、脚で地面を蹴って素早く移動する様子を表していますが、「歩く」と「走る」の違いや、どこからが「歩く」でどこからが「走る」なのか、これらの概念を理解するのは、言葉の意味を解釈する際に子どもたちが戸惑うことがある複雑なプロセスです。

このような理由から、お子さんにとって動作の言葉を習得することはやや難しい課題の一部となります。しかし、「あむあむ（食べる）」や「たったか（走る）」といったオノマトペを活用することで、子どもたちにはスモールステップの足場が提供されます。これらのオノマトペは、動作や行為を視覚的かつ具体的に表現し、言葉の理解を促進する一方で、子どもたちに自信をもたせ、言語スキルの向上を助ける役割を果たします。

多くの親が赤ちゃん言葉を子供にとってNGと考えているの？

子育て中の親たちの中には、赤ちゃん言葉を避けることを望む方も多いでしょう。しかし、車を「ブーブー」、猫を「ニャンニャン」と表現するような言葉は、単なるオノマトペだけでなく、実は「赤ちゃん言葉」の一環でもあります。この「赤ちゃん言葉」について、何時まで使っても良いのか、またそれが子どもの言葉習得にどのように関与しているのかについて、子育て中の親たちからはしばしば疑問があるでしょう。

一般的には、言葉を話す前の時期から、言葉の発達に向けての第一歩として、カタコトの文や赤ちゃん言葉を使うことが推奨されています。これは、言葉の獲得において重要な基盤を築く手助けになるとされています。赤ちゃんが単語を話し始め、少しずつ文を組み立てていく時期に至るまで、親が赤ちゃん言葉を使うことで、子どもは言葉に対する理解を深め、発話の自信を養っていくのです。

赤ちゃんが言葉を覚え、文でのおしゃべりが増えてくると、親は「ブーブー、車来たね」といったように、赤ちゃん言葉と一般的な名詞を組み合わせることで、言葉の移行を促進することができます。これは、子どもが段階的に一般的な言葉へと移行する際の手引きとなります。

また、赤ちゃん言葉を卒業した後も、オノマトペは言葉のバリエーションを広げる有用な手段です。イメージが豊かなオノマトペは、語彙力の向上に寄与するだけでなく、子どもたちの創造性を刺激し、言葉の魅力をさらに拡げる要素となります。親たちはどんどん様々なオノマトペを導入し、子どもたちが言葉の世界を楽しみながら発展していく手助けをしてあげることが大切です。